天気なんてどうでもよかった
天気なんてどうでもよかった
彼らに出会うまでは
正直、一人暮らしをしている私の生活の中で起床から就寝という1日の流れでカーテンを開けないことが多々ある。
特に理由はなく、その動作すらが面倒くさかった。
暗ければ電気をつければいい。ただそれだけだった。
外に出て、晴れていればラッキー。
外に出て、雨ならばついてない。
そう思うだけの日々。
予定がある日以外の天気は本当にどうでもよかったんだ。
だけど、彼らに出会ってからその考え方がすっかり変わってしまった。
起きたら、カーテンを開けたくなった。
今日の天気はどうだろうか?気になった。
見たくなった。
そして、その日の天気に喜びを感じた。
晴れは晴れなりに。
雨は雨なりの良さを楽しんだ。
この天気を見て彼らはどう感じるだろうか。
私と同じように嬉しいだろうか。
それとも今日は悲しくなるのだろうか。
彼らと私は同じ空の下。
何故だろうか。天気が気になる。
いや、空が気になる。
空は平等だから。
分け隔てなく、国境も関係なく、私たちを包み込む。
いつだって同じ空を見ることができる。
たとえ天気が違えど、空は同じ空なのだ。
夜になれば空を見上げる。
必ずというほど、月は出ているか見てしまう。
月は彼らと私たちをつなぐ大切なものだから。
“いつか一緒に見ましょう”
彼は言った。
私も見たい。でも、そのタイミングがいつになるかわからない。
だから、私は、きっと彼も見ていると信じて今日も夜空を見上げる。
そして、心の中で何度だって伝えるんだ。
“今日は…”
“月が綺麗ですね”
と。